オタク柔術家

 今回紹介するのこのRB戦士は、ここ最近の5大会で4大会優勝し、先日の大会では無差別級まで優勝しました。オタク柔術家と書きましたが、柔術オタクではなく、アニメ&ゲームオタクです。「オタクと言いましても、僕はアクティブなオタクではなくネガティブなオタクです」と、自他共に認める筋金入りのオタクです。

このおた… 男が入会してきたのは大学生の時でした。いわゆる引き籠りで、家からずっと出ない生活をしていたそうです。でも格闘技にはずっと興味が有り、勇気を出して部屋から出て来ました。来た当初は目も合わさず、いつも俯いており、何か言われても「いや、イイっすよ」と、いつもスネていました。しかし試合に出る様になり、デビューから数戦は負けましたが、今ではキックと合わせれば100戦程はしています。地方遠征にも進んで参加し、今では一流企業で働き、師匠よりも社交的に振る舞えています。

一端のゲームオタクだけあり、中々の戦略家で、圧倒的に実力で上回られない限りは何とかします。が、対戦相手が不良だったり、刺青が入っていたりすると過去のトラウマが蘇るらしく、露骨に怖がり、実力と勝つ意欲が8割減となります。現在はインターネットで対戦相手を検索したりするのが当たり前になっている柔術界ですが、この男が対戦相手を調べる際、画像や動画を探し、刺青が入っているかどうかも必死に調べるそうです。

しかし先日、ついに天敵を真っ向勝負でねじ伏せました。試合直前に相手の刺青を見て消沈していたので、「みっともない試合して帰って来やがったらもっと怖い思いするのは分かってるよな?」と言ったところ、勝って戻って来ました。やれば出来る。

しかし引き籠りの後遺症でしょうか。先日試合後に家まで送ったところ、家の近所、同じ町内の道案内も出来ず、完全に明後日の方向へ向かわされました。しかもその間違いに気付いたのも本人ではないという有様です。

オタクの話でした。