養老

 有名人っちゃ有名人、天才学者解剖学者養老孟司氏の発想が面白い。ある種達観した人に見られる脱力感を凄く感じる人。

「死体はただの人」と言い、死体が気味悪く感じるのは三人称だから。親や恋人の死体気味悪くないのは二人称だから。だとか。

 

その養老氏の二宮金次郎の話がとても面白いのです。スマホやパソコンばかりをやる若者、ゲームや漫画にハマる子供と同じだと言います。

新しく出てきた物に食いつく若者はいつの時代も批判、否定されるように、二宮金次郎の時代は本がそれだったと。

そんな物ばかり読んでないで仕事しろ。本がなんの役に立つんだと批判されるから、仕事しながらなら言われないだろうと、薪を拾いながら本を読んでいたんだと。

確かに1780年代の日本の識字率はたかが知れていますし、そんな時代の本に夢中になるのは少数派である事は間違いないです。

ゲームもネットも夢中になるのは悪いことではなく、それしか出来ない事に問題があるだけだと氏は言います。

 

 

養老で思い出したのですが、昔行きつけだった養老の瀧。ただのチェーン店であった養老ですが、なぜか気に入ってよく行った野毛の養老の瀧。酒が飲めない点は置いときます。

 

店員も下町の人っぽくて馴染みやすい。野毛は下町か…

 

そこに居たのが通称太田。自分が勝手に太田と言っていただけで名前は忘れましたが、ひょろっとしていて、やさぐれた感じだったから太田と隠れて呼んでいました。三陽の「ひよこ」に並ぶ野毛の名物店員(個人的に)。

 

ある日厨房から驚きの会話が… 太田が怒られている。

 

「また競馬行ったのか!!毎月毎月競馬で有り金全部使いやがって!!」と、兄貴だか、兄貴分だかの人に怒られ、ふてくされています。

おばちゃんたちも「もう競馬行かないって言ったじゃない。だからお金貯まんないのよ!!」と、責め立てている。

土地柄、場外馬券場があるエリアで致し方ない部分もありますが、全部使っちゃいかんと思いながら聞いていました。

 

ふてくされた太田が裏へ煙草を吸いに行く途中、ボソッと驚きの一言をこぼしました。

 

「毎月五万で何しろって言うんだよ… 」

 

理由は分かりませんが、厨房のエース太田は毎月五万しか貰っていない。

 

驚愕。

 

五万の中で煙草を吸っていた太田。

競馬くらいやらせてやって欲しい。

 

15年ぶりに行ってみるか。